1.
統合失調症
こんなことでお困りではないかですか?

1.自分の悪口が四六時中聞こえる

2.自分の考えが筒抜けになっている

3.世界の雰囲気が急に変わったように感じる

4.常に監視されており、先回りされているように感じる


病気の特徴

統合失調症は、考えや気持ちがまとまりにくくなり、現実と自分の考えとの区別が難しくなる病気です。たとえば、誰もいないのに声が聞こえたり、実際にはないことが現実のように感じられることがあります。また、意欲が低下し、以前楽しめていた趣味にも興味が持てなくなり、活動が少なくなる傾向があります。社会との関わりが難しくなり、孤立しがちになることもあります。

統合失調症は、約100人に1人がかかると言われており、特に思春期から40歳くらいまでに発症しやすいとされていますが、早期に治療を開始することで回復が早まる可能性があります。代表的な治療法としては、お薬による治療と精神科リハビリテーションがあります。当院では主にお薬による治療を行っておりますので、精神科リハビリテーションについては他の医療機関のデイケアなどへの参加をご案内しております。

2.

うつ
こんなことでお困りではないかですか?

1.気分が落ち込んで、些細なことで涙が出る

2.食欲がなく、食べていても美味しくなくて砂を噛むよう

3.休んでも疲れがとれず、体が重たい

4.物事に集中できず、頭に入らない

5.自分は役立たずで周りに迷惑をかけているという思いが頭から離れない

6.眠ろうと横になっても眠れない、朝早くに目が覚める


病気の特徴

うつ病は、気分が落ち込み、興味や楽しみを感じられなくなる精神的な症状に加え、体がだるく感じたり、眠れないといった身体的な症状も現れる病気です。嫌な出来事がなくてもこうした症状が続くため、気分転換が難しく、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

治療では、まず職場や家庭で受けるストレスを減らし、しっかりと休息をとれる環境を整えることが大切です。必要に応じて勤務時間の調整をしたり、家事や育児を家族にサポートしてもらうなど、無理のない生活が送れるよう環境を整えることが治療の第一歩です。そのうえで、薬物療法や精神療法によるサポートを行います。精神療法では、うつ病の原因となるストレスについて一緒に振り返り、どのように対処するかを考えながら進めていきます。

薬物療法では、抗うつ薬を中心に使用し、気分の落ち込みや疲労感を和らげることを目指します。抗うつ薬にはさまざまな種類があり、医師と相談しながら患者さんに最も合う薬を見つけていきます。治療には時間がかかることもありますが、焦らず、少しずつ進めていくことが大切ですので、安心して治療に取り組んでいただければと思います。

3.

双極症(躁うつ病)
こんなことでお困りではないかですか?

1.絶好調で何でもできるように思える

2.眠らなくても疲れを感じない

3.大金を使ったり、後先考えずに行動してしまう

4.些細なことでイライラし、感情をコントロールできない

5.次々と考えが浮かんでくる


病気の特徴

双極症(躁うつ病)は、うつ病で見られるような気分が非常に落ち込む「うつ状態」と、気分が大きく高まる「躁状態」があらわれる病気です。

「躁状態」では、大声で話し続けたり、ほとんど眠らなくても平気だったり、自信が過剰になり、高額な買い物をすることがあります。しかし、「躁状態」を病気の症状として認識されないことも多く、そのために診断が遅れる場合もあります。もし思い当たることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

双極症の治療は、お薬による治療と心理・社会的療法があります。お薬による治療には、症状を和らげることや、症状が安定した後の再発予防の目的があります。服薬方法については、ご相談のうえで一緒に決めていきたいと思います。心理・社会的療法では、ご自身の病気への理解を深めていただき、再発予防のための対処法についてもご相談させていただきます。

4.

パニック障害
こんなことでお困りではないかですか?

1.突然に、「死んでしまうのではないか」という強い恐怖に襲われる

2.急に心臓がドキドキして、胸が締め付けられる

3.息がうまく吸えない、過呼吸になる

4.目の前が暗くなったり、ふらふらとした感じになる

5.体が震えたり、汗が一気に出る

6.手足がしびれたり、ピリピリとした感覚が出る


病気の特徴

パニック障害は、突然の強い不安を感じる「パニック発作」が繰り返し起こる病気です。この発作は数分でピークに達し、息苦しさや動悸、手足のしびれなどの身体症状が現れることが多く、発作を経験すると「また起きるかもしれない」と不安になり、電車や人混みなど、発作が起きた場所や状況を避ける行動が増えることがあります。

パニック障害の治療では、まず安心して過ごせるように生活習慣や環境を整えることが重要です。規則正しい生活や十分な睡眠、ストレスを減らす環境づくりを通して、不安を軽くしやすくなります。その上で、発作やそれに伴う強い不安を和らげるために、抗うつ薬などによるお薬を使用することもあります。お薬を使うことで発作が起きにくくなり、不安感が軽減することが期待されます

5.

強迫症
こんなことでお困りではないかですか?

1.手や体が汚れているのではないかと気になり、繰り返し手を洗わずにいられない

2.家の鍵をかけたか不安になり確認する。しばらくすると再び不安になり、確認を繰り返す

3.「他人に迷惑をかけたかもしれない」といった考えが何度も浮かんでしまい、頭から離れないことがあります。

4.本が順番通りにきちんと並んでいないと落ち着かず、何度も確認してしまう

5.「火事になったらどうしよう」と不安に駆られ、ガスや電気を何度も確認する


病気の特徴

迫症(強迫性障害)は、特定の考えやイメージ(強迫観念)が繰り返し頭に浮かび、それによる不安を解消しようとして、特定の行動(強迫行為)を何度も繰り返してしまう病気です。この状態が続くと、日常生活に支障が出やすくなります。本人も、このような考えや行動が過剰で不合理だとわかっていることが多いですが、考えを止めることが難しいのが特徴です。

強迫観念には、「手が汚れているのではないか」「鍵をかけ忘れたのではないか」といった不安がよく見られ、何度も頭に浮かんでしまうため、不安やイライラが生じます。こうした不安を和らげるために、強迫行為という行動を繰り返すことが多いです。

強迫行為とは、強迫観念からくる不安を解消しようとして、何度も「大丈夫かどうか」を確かめる行動のことです。たとえば、「鍵がちゃんとかかっているか」「ガスの元栓が閉まっているか」を何度も確認することが代表的です。確認することで一時的に安心できますが、すぐに不安が戻ってしまい、また確認を繰り返してしまうことが多いです。

治療には主に薬物療法と認知行動療法があり、どちらも症状の改善に役立ちます。薬物療法では、抗うつ薬などによる不安や緊張を和らげるお薬を使うことで、強迫行為の頻度を減らすサポートが期待されます。認知行動療法では、曝露反応妨害法という方法を用います。これは、「不安を感じる状況」にあえて身を置き、その後に強迫行為をしないように練習する方法です。たとえば、少し不安を感じる状況から始めて、確認行為をしないで待つことで、少しずつ不安に慣れていくようにします。

6.

不眠症
こんなことでお困りではないかですか?

1.横になってもなかなか眠りにつけない

2.夜中に何度も目が覚めてしまい、そのたびに眠れなくなる

3.予定よりもずっと早く目が覚め、その後眠れなくなってしまう


病気の特徴

不眠症とは、眠りたいのにうまく眠れない状態が続くことを指し、症状としては「横になってもなかなか眠れない」「夜中に何度も目が覚める」「朝早く目覚めてしまう」といったものが見られます。

不眠症が続くと、日中の集中力が低下しやすくなったり、慢性的な疲労感が残ることもあり、日常生活に支障が出ることが多くなります。また、肥満や認知症などの健康リスクも増えるとされており、十分な眠りは身体にとって非常に重要です。そのため、睡眠環境を整えたり、必要に応じてお薬を使った治療などを通じて、快適な眠りを取り戻すサポートを行います。

7.

社交不安障害
こんなことでお困りではないかですか?

1.人前で話すと極度に緊張し、恐怖を感じる

2.自分の行動や言動に自信が持てず、恥をかかないかと心配でたまらない

3.人前に立つと、顔が赤くなったり、汗がとまらなくなる


病気の特徴

社交不安障害は、スピーチや会議での発表など、人前での行動に対して強い不安を感じる病気です。失敗したり、人から否定的に見られたりすることへの不安や恐怖心を抱くことが多いです。

そのために、職場や学校の会議やプレゼンなどの場面を避けざるを得なくなり、日常生活や仕事に支障が出てしまうことがあります。

治療には主に抗うつ薬などによる薬物療法に加えて、具体的な困りごとに対して対処法を検討していき、避けがちな場面に段階的に挑戦する方法を練習します。

8.

適応障害
こんなことでお困りではないかですか?

1.職場や学校、家庭などでの環境の変化やトラブルに対し、心が落ち着かない

2.ストレスによる不安や悩みが頭から離れず、イライラしたり、やる気が起きない


病気の特徴

適応障害は、仕事や家庭などでの環境の変化やストレスに対応しきれなくなり、気分の不調や身体の症状が現れる病気です。ストレスが軽減されれば症状が和らぐことが多いですが、同じ状況に直面すると再び症状が出ることもあります。

治療には、ストレスの原因を特定し、それに対する対処法を考えることが重要です。ストレスが軽減できる場合は、環境を整えたり、適切なサポートを受けることで改善が期待できます。それと共に、ストレスへの対処法についても相談させていただきます。